肝斑(かんぱん)とはどんなシミ?原因や治療法を詳しく解説
年齢を重ねるとシワやシミ、毛穴の広がり、くすみなどさまざまな肌トラブルが起こります。
中でも「シミ」は30代などの早いうちから女性を悩ませる厄介者。
シミ対策を必死にしてたのにできてしまった、なぜか広がっていくという悩みを持っている方は少なくないはずです。
もしかしたらただのシミではなく「肝斑(かんぱん)」というシミの一種の可能性があります。
今回は知らないうちに意外と多くの女性が悩んでいる「肝斑」について、
- ✓肝斑の特徴や原因
- ✓肝斑の治し方
これらについて美容専門家に詳しくお話を伺っていきます!
【1】肝斑(かんぱん)はどんなシミ?
最近、「肝斑」という言葉を知ったんですが、顔にできるシミのようなものですよね。でもシミとの違いがいまいち分かりません。
そうですね、ひとことで「シミ」といってもいくつかの種類があり、肝斑も顔にできるシミの一種です。ただ、他の種類のシミとはいくつか違う特徴をもっています。
①肝斑の特徴・見分け方
「肝斑」の特徴には例えばどのようなものがあるんですか?
ざっくり言うと肝斑には、
✔顔の左右対称に現れる
✔境目がハッキリしないぼやけた印象
という特徴があります。
頬やおデコにぼやっとした印象のシミが左右対称にあったらそれは肝斑かもしれません。
左右対称というのは、2箇所にできてしまうということですか?
そうなります。1箇所だけに独立して肝斑ができることはほとんどありません。
②肝斑ができる場所・範囲
肝斑の特徴覚えておきます!ちなみに肝斑はどんな場所にできやすいのですか?
肝斑は顔の中でもできる範囲が限られているという特徴があります。
- ①目の周辺にはできず、頰骨にそった形でできるケース
- ②目尻下あたりに小さくぼやっと広がっているケース
また、眉上や鼻下にもできるのですが、生え際や鼻にまでおよぶことは滅多になかったりと限られた範囲に見られるものなんです。
え〜そうなんですか!広範囲にできたら精神的にダメージ大きいですね…。毎日自分の肌見て気持ちが参っちゃいそうです…。
そうですね。そうなる前に早めの対策をすることをおすすめします。
【2】肝斑ができる原因
そういえば、そもそも肝斑ってなにが原因でできるんですか?
シミの原因の一つとして「紫外線」はよく聞くと思いますが、肝斑ができる原因はそれだけではありません。
肝斑の発生に最も関係しているのは「女性ホルモン」と言われています。ホルモンバランスの乱れから肝斑ができてしまったり、悪化することが考えられます。
また、お肌のお手入れを念入りに行いすぎると、逆に刺激を与えることになり、肝斑の原因になってしまいます。
お肌のお手入れはやっぱり丁寧に刺激を与えないようにしないといけないんですね。
それに肝斑にはホルモンバランスが関係しているなんて知りませんでした。
ホルモンバランスを保つのって難しそうです…
ホルモンバランスの乱れは睡眠や食生活を見直すだけで多少の改善に繋がっていきます。
【3】肝斑ができやすい人の特徴
具体的にはどういう人がホルモンバランスが乱れやすく、肝斑ができやすい傾向にあるんですかね?
そうですね、ホルモンバランスの乱れは自分ではコントロールできない部分でもあるんですが、以下の人は要注意です。
- ✓30〜40代の女性
- ✓妊娠した方
- ✓経口避妊薬(ピル)を服用し始めた方
- ✓睡眠不足やストレスの多い生活を送る方
なるほど。妊娠したタイミングのホルモンバランスの乱れはどうしようもないけど、睡眠不足やストレスに繋がるような生活習慣を改善していくことは誰でもできそうですね!
はい、そのとおりですね。
先程の話とも少しかぶりますが、睡眠不足やストレス過多な生活習慣はできるだけ改善する努力をして、ひとつでも要因を減らしていくことが大切です。
【4】肝斑の治療法
できてしまった「肝斑」はどういった方法で治療していけば良いのでしょうか?
私のイメージは薬をシミにひたすら塗り込んだり、レーザー当てたりと過酷なイメージなんですが…
「肝斑」の場合は薬の服用で大幅な改善が見込めることが多いです。
へー!そうなんですね!
ただ、それでもなかなか改善しなかったりする場合は通常のシミとは違う「レーザー治療」を行うこともあります。
ですがひとまず、2〜3ヶ月くらいは負担の少ない薬の服用から始めるのがいいでしょう。
①内服薬での治療
服用する薬でもどんな成分が肝斑に効果的なんですか?
「トラネキサム酸」という成分が肝斑の治療には効果的です。
トラネキサム酸には肝斑の原因となるメラニンの生成を抑制する作用があるのです。
原因物質の「メラニン」って聞いたことがあります!それを抑制するのがトラネキサム酸の働きなんですね!
先ほど少し仰ってましたが服用は2〜3ヶ月くらいが目安ですか?
そうですね、即効性はないのでじっくり継続して飲んでいただくことが大切です。2〜3ヶ月ほど続けて服用するとほとんどの場合は改善が期待できます。
②医療レーザーでの治療法
シミ治療と言えば「レーザー」みたいなイメージも強いですが肝斑もレーザーで治療できますか?
はい。内服薬であまり効果が得られなかった時はレーザー治療という手もあります。
ですが肝斑には他のシミと同じレーザー治療を行うことができません。肝斑は表面にできる他のシミとは違い、肌の奥深いところまで及んでいることが多いからです。
他のシミと同じレーザー治療を行うと逆に濃くなってしまうことがあるので注意が必要です。
そこで肝斑には「トーニング」と呼ばれるレーザー治療を行うことになります。
「トーニング」…初めて聞きました。
他のレーザー治療とはなにが違うんですか?
「トーニング」は肌の深いところまで届く波長の長いレーザーを使うことで、肌への負担を軽減させつつ、肝斑にアプローチできる治療法です。
優しく効かせられるので、炎症を起こすことなくメラニン色素を薄くすることができます。
なるほど、なんだか難しい話ですけど、とりあえずレーザー治療も可能だということが分かりました!
実は少し前までは肝斑にレーザー治療はいけないとされていましたが、トーニングの誕生により肝斑に悩む人をレーザー治療で救うことが可能になったのです。
そうなんですね!従来のレーザー治療では反対にひどくなってしまった肝斑にも優しくアプローチできるのがレーザートーニングなんですね!すばらしい技術です…
もしも肝斑ができてしまっても今は焦らず病院に行けば大丈夫なんですね。
そうです。肝斑ができてしまったのに病院には行かず、自分の肌を見て落ち込んでストレスになって…
そうなってしまってはホルモンバランスを正常に保つことができずさらに悪化させてしまうこともあります。
当然それでは悪循環なので、「シミごときで…」なんて思わずすぐに病院を受診して治療するようにしてくださいね。
【5】肝斑の予防法
肝斑はどうしてもできてしまう時はできるんですが、原因や特徴を知って若いうちから気にかけておいてあげることも大切です。
一度話した、ストレスをためない生活習慣だったり睡眠をしっかりとることだったり、そういうことからしっかり気にかけていこうと思います!
それはいい心構えです!ホルモンバランスを保ち、ストレスをためないために明日からできることを紹介します。
- ✓バランスの良い食事を心がける
- ✓お風呂のときは湯船に浸かりリラックス
- ✓疲れた時はストレッチやマッサージで身も心も解きほぐす
- ✓良質な睡眠時間を多く取る
こういうちょっとしたことが大切なんですね。習慣化していければ良いですね。
あとは、肝斑もシミの一種紫外線は同じようにあまりよくありません。肝斑がすでにある場合には特に、悪化して濃くなってしまう可能性があります。日頃から紫外線対策も心がけておくことがお肌にとってはすごく大切です。
そうですよね、「紫外線対策しておかないと年齢重ねたときに後悔するよ!」って言われたこともあるので頑張ろうと思います。
今日はありがとうございました!
【6】まとめ
今回は30〜40代の女性を特に悩ませる肝斑の特徴や原因、治療法、予防法などについてお話を伺いました。
内容をまとめると、
- ✓肝斑はホルモンバランスの乱れも原因になる
- ✓内服薬やレーザーでの治療が可能
- ✓肝斑の対策は生活習慣の改善から
ということでした!
肝斑は紫外線など外部からの影響のほかに、ホルモンバランスの乱れなど内部からの影響が大きいものです。
これは普段からの生活習慣を見直しておくことで予防になりますので、ぜひ改善できる部分はないか考えてみてください。
とはいえ、いくら気にかけて生活していても「顔に気になるシミができてしまったな〜」ということはあります。そんな時にはあまり悩みすぎず、ストレスに感じないうちに病院を受診するようにしてくださいね。